意外とすごい野菜のチカラ「ファイトケミカル」

意外とすごい野菜のチカラ「ファイトケミカル」

ファイトケミカルと呼ばれる物質は、野菜などの植物にふくまれる成分の総称です。健康増進効果が期待できることから注目をあつめています。カラダにとっていい作用を示すことから、重要な成分として知られています。

健康増進効果が期待されているファイトケミカル

ニンジンのβ-カロテン、ワインのポリフェノール、お茶のカテキン、大豆のイソフラボンといった成分は「ファイトケミカル(phytochemical)」と呼ばれて、健康増進作用が期待されています。

これらファイトケミカルは、野菜、果物、イモ、豆、海藻などあらゆる植物にふくまれているもので、香り、辛味、色素などの成分になります。

ファイトケミカルには、活性酸素を軽減する抗酸化作用があるのですが、活性酸素とは、老化や生活習慣病の原因になる物質です。

つまり、老化や生活習慣病の原因になる活性酸素をファイトケミカルがおさえてくれます。

ファイトケミカルとは

☑植物にふくまれる香り、辛味、色素などの成分

☑ファイトケミカルの種類は数千ある

☑生活習慣病などの予防や改善に期待がよせられている

さまざまな作用が期待されています

ファイトケミカルはさまざまな種類があって、数え上げるときりがありませんが、そのなかからいくつかご紹介します。

イソフラボンは、大豆にふくまれる成分で、大豆1gあたりに1〜4mgふくまれています。エストロゲン(女性ホルモン)に似た作用をもっていることが特徴で、がんや心疾患の予防、脂質代謝改善、骨代謝などの効果が報告されています。

カプサイシンは、トウガラシの主要な辛味成分です。神経系への各種作用、胃粘膜保護作用、体熱産生や熱放散、発汗作用、抗炎症作用、抗肥満作用、抗がん作用などが知られています。

カテキンは、緑茶にふくまれる成分です。体脂肪低減作用、コレステロール低下作用、血圧降下作用、脳卒中予防作用、抗アレルギー作用が知られています。

アントシアニンは、ブルーベリーやナスなどにふくまれる色素成分です。肥満や糖尿病、がん、アルツハイマー型認知症、メタボリックシンドローム、高コレステロール血症、視覚機能などへの有効性が報告されています。

レスベラトロールは、ブドウの果皮や赤ワイン、ピーナッツなどにふくまれる成分です。寿命を延長する可能性が報告されたことで注目をあつめています。

リコピンはトマトなどにふくまれる色素成分です。がんや心血管疾患など慢性疾患のリスク低下や解毒の作用があるといわれています。

このようにファイトケミカルは、各種成分の作用について数多くの報告があります。

ファイトケミカルをふくむ野菜の例

ファイトケミカルは「ポリフェノール」「カロテノイド」「含硫化合物」などのグループにわけられています。

ほんの一例ですが、ファイトケミカルをふくむ野菜やくだものをつぎにご紹介します。

ファイトケミカルの成分とそれをふくむ食品の例

分類成分成分をふくむ食品例
ポリフェノールイソフラボン大豆、葛
ルチンタマネギ、ブロッコリー
カテキン緑茶、赤ワイン
アントシアニンブルーベリー、ブドウ、ナス
レスベラトロールブドウ
クルクミンウコン
タンニンシソ、ヨモギ
カロテノイドβ-カロテンニンジン、カボチャ
ルテインホウレンソウ、コマツナ
リコピントマト
カプサイシントウガラシ
ゼアキサンチントウモロコシ
含硫化合物スルフォラファンブロッコリー
アリシンニンニク
アリルイソチオシアネートワサビ

ファイトケミカルの抗酸化作用

ご紹介のとおりですが、抗酸化作用は、ファイトケミカルの代表的な作用の1つです。

抗酸化作用とは、過剰にあるとよくない働きをする活性酸素を減らしてくれる作用です。

活性酸素は、カラダのたんぱく質、脂質、遺伝子などに異常な変化をもたらして細胞を傷つけてしまうことがあります。活性酸素が増えすぎると、傷ついた細胞が増えて、老化や生活習慣病が進行してしまいます。

この活性酸素を軽減してくれるファイトケミカルの抗酸化作用が、老化や生活習慣病の予防に一役かっているというわけです。

ちなみに、活性酸素が過剰になった状態を「酸化ストレス」といいます。
紫外線、薬剤、酸化された物質の摂取、過度な運動やストレスなどによって酸化ストレスが引き起こされます。

酸化ストレスをおさえるためには、バランスの取れた食事、適度な運動習慣、十分な睡眠などが重要になります。
その1つとして、野菜の積極的な摂取が推奨されています。ぜひ、いろんな種類の野菜を積極的に摂ってみてはいかがでしょうか。

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