野菜は本当にカラダにいいのか
「野菜はカラダにいい」と、むかしからいわれますが、具体的にはどういったよさがあるのでしょうか。
健康に関する野菜の機能や性質を見てみましょう。
野菜の健康に関する機能5選
野菜にふくまれるポリフェノールなどは「ファイトケミカル(phytochemical)」と呼ばれて、人の健康に関係していることがよく知られています。ほかにも、野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で人の健康と密接に関係しています。
野菜には、ファイトケミカルの作用をふくめて、健康に関係するたくさんの機能性があります。
そのなかから5つの機能をご紹介しましょう。
野菜の機能5選
①活性酸素をおさえる
②発がんリスクを下げる
③免疫力向上
④アレルギーの緩和や改善
⑤血圧調節性など
①活性酸素をおさえる
活性酸素は、がんや心臓病、脳卒中といった生活習慣病の原因になるといわれています。
カラダのなかに過剰な活性酸素があると、それが老化や生活習慣病の原因になってしまいます。
この活性酸素をおさえてくれるのが野菜の抗酸化作用です。
②発がんリスクを下げる
野菜の摂取は、発がんリスクを下げる可能性があるといわれています。
ホウレンソウ、キャベツ、ナス、ゴボウ、ショウガ、ブロッコリーをはじめ、おおくの野菜は、細胞や遺伝子へのダメージを軽減する作用があります。これによる発がん予防の効果が期待されています。
③免疫力向上
人には、ウィルスなどの異物を見つけ出して防御する機能があります。
たとえば、マクロファージやT細胞などは、カラダのなかの異物を見つけ出して掃除してくれる白血球です。
キャベツ、長ネギ、ニンジン、パセリ、ナス、ピーマンなどおおくの野菜には白血球の活性を調整する成分がふくまれることから、免疫力の向上が期待されています。
④アレルギーの緩和や改善
日本人の2人に1人はなんらかのアレルギー疾患で、その割合は年々増えているともいわれます。
シソ、ショウガ、タマネギ、キュウリ、トマトなどの野菜には、アレルギー症状の緩和作用が期待されています。
また、野菜の食物繊維で腸を整えることで、アレルギー症状が緩和されることも期待できます。
⑤血圧調節性など
アスパラガス、カラシナ、モヤシ、ナス、ゴボウ、トマト、パセリなどの野菜には血圧上昇をおさえる効果が期待されています。
そのほかにも、野菜にふくまれる食物繊維に、コレステロール低下作用があるといわれています。また、食物繊維や大豆オリゴ糖の整腸作用はよく知られているところです。
野菜を食べることと人の健康
ふるくから「野菜は健康にいい」といわれています。ビタミンやミネラル、ファイトケミカル、食物繊維など、健康に関係する成分が野菜にはたくさんふくまれています。
野菜やくだものなどの植物は、雨や風、紫外線、外敵などから移動して身を守ることができません。このため、移動しなくても身を守れるように有効な成分をもつようになったのではないかと考えられています。
今後もさらに研究が進んで、野菜と健康の関係がより具体的に判明することが期待されています。