野菜のアンチエイジング

野菜のアンチエイジング

アンチエイジングは抗老化ということですが、実際には、加齢による心身の機能低下を、だれも完全に止めることはできません。
そういう意味では、不要な老化を防いでいつまでもわかわかしく活動しようとすることがアンチエイジングだと考えるのが自然でしょう。

アンチエイジングと活性酸素

ところで、人間は呼吸することで酸素をとりいれて活動していますが、その際に活性酸素というものが発生しています。
活性酸素がカラダに増えすぎると、細胞を傷つけて、老化、がん、認知症、心・血管疾患や生活習慣病などの要因になります。

つまり、活性酸素が老化の正体の1つです。

活性酸素をおさえることが、いつまでもわかわかしく健康に過ごすための秘訣といえます。

アンチエイジングと野菜の抗酸化作用

過度な運動や過度な運動不足、紫外線、酸化された食べものの摂取などが、カラダの活性酸素を増やしてしまいます。ですから、まずはこういった活性酸素を増やしてしまう生活習慣があれば、それを減らすことがアンチエイジングにつながります。

また、抗酸化作用のある食品を摂ることも、活性酸素を減らす方法の1つです。

野菜など抗酸化作用のある食品をバランスよく摂取することで、カラダのなかの活性酸素を軽減することができます。

抗酸化作用をもつ野菜のファイトケミカル

野菜、くだもの、豆類、イモ類、海藻、お茶など、植物にふくまれる色素や香り、苦味成分などは、ファイトケミカルと呼ばれています。

ファイトケミカルの多くは、抗酸化作用があるため、活性酸素を軽減してくれます。がんの抑制、老化予防、アレルギーの軽減、代謝促進、免疫力の向上、脳機能の活性化などに関係しています。

たとえば、イソフラボンは、大豆にふくまれるファイトケミカルです。エストロゲン(女性ホルモン)に似た作用をもっていることが特徴で、脂質代謝、骨粗しょう症、ホットフラッシュなどの改善効果があるといわれています。

肌のアンチエイジング

加齢にともなって、皮膚の新陳代謝は低下して内分泌や免疫の機能もおとろえる傾向にあります。また、紫外線を浴びることによって皮膚中に活性酸素が産生されて老化が進行するといわれています。

肌の老化を防止・改善するには、バランスのよい食事、積極的な野菜やくだものの摂取、適度な運動が効果的とされています。

野菜やくだものの抗酸化作用で血行も促進されて、肌のくすみが改善されるといわれています。良好な肌の維持や改善のためにトマトにふくまれるリコピンや大豆イソフラボンなどが有効だという報告があります。

また、健康的な細胞のためには、良質な脂質が重要です。とくに、αリノレン酸やDHA、EPAなどのオメガ3系といわれる脂質が不足しないように気をつけましょう。

αリノレン酸はアマニ油やエゴマ油におおくふくまれ、DHAやEPAは魚におおくふくまれています。オメガ3系のオイルは、細胞膜をやわらかくしてくれます。

腸内フローラとアンチエイジング

腸内には100兆個以上の細菌が生息していて、花の群生のように分布していることから、そのようすを「腸内フローラ」と呼んでいます。

腸内細菌には善玉菌と悪玉菌があって、善玉菌優勢の腸内環境を維持することが健康の維持増進につながります。もし腸内で悪玉菌が優勢になると、腐敗物質が腸内に蓄積されて、肌のトラブルにつながります。

腸内環境の悪化は、肌の乾燥、肥満、アレルギーなどに関係しています。

食物繊維は、腸内環境を整えるのに最適です。また、大豆にふくまれる大豆オリゴ糖は、善玉菌であるビフィズス菌を増やしてくれます。

意外にも大豆は、食物繊維を豊富にふくんでいます。食物繊維が豊富な野菜として代表的なゴボウ100g中の食物繊維総量は5.7gです。大豆は、100g中に約18gの食物繊維をふくんでいます。腸内環境を整えるのに最適な食品の1つといえるかもしれません。

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