注目のプラントベースフードとは?
プラントベースフードは、一般に植物を原料にした食品全般をいいます。また、プラントベースミートは大豆やエンドウ豆などの植物を原料にしたたんぱく質豊富な食品で、植物肉、代替肉、ベジミート、大豆ミートとも呼ばれています。
これまでベジタリアンやヴィーガンのための食品というイメージがつよかったプラントベースフードですが、そのほかのおおくの人たちからも関心をあつめています。
植物からつくったたんぱく質が注目されています
プラントベースフードやプラントベースミートは、健康などの観点からおおくの人に選択されています。また、人口増加や気候変動といった環境配慮の観点からも積極的に選択されています。
植物からつくられたプラントベースミートが注目される理由
☑環境配慮
☑持続可能性への配慮
☑多様なライフスタイル
☑美容・健康
☑おいしさの向上
世界中の多くのプラントベースミートは、原料、形状、食感、風味などあらゆる観点から研究開発されています。そのため、おいしさの面でもプラントベースミートが選ばれるようになっています。
安定したたんぱく質の供給源として
国連の推計では、世界の人口は2030年までには85億人、2050年には97億人になります。
もちろん、それにともなって必要になる食料も増加することが見込まれています。とりわけ動物性の食肉だけでは、たんぱく質を人びとに供給しきれないことが懸念されています。
世界の食肉消費は年々増加傾向にあって、1990年が24kg/人・年で、2020年では34kg/人・年となっています。
たんぱく質の安定した供給のためにも、プラントベースミートが期待されています。
畜産のためには多くの穀物や水が必要
食肉が食卓に運ばれるまでには、たくさんの資源が必要です。
牛肉1kgの生産に必要な穀物の量はトウモロコシ換算で11kg、おなじく豚肉では6kg、鶏肉では4kgといわれています。また、牛肉1㎏を生産するのに必要な水の量は15,000リットルといわれています。
そのほか、飼料用穀物の消費や飼育のための森林開拓などは、温室効果ガスの排出量に関係しています。
食肉の需要が拡大していることで、環境にとっても畜産システムにとっても負担が大きくなっています。
畜産業の拡大にともなって懸念されている環境への影響
☑温室効果ガスの影響
☑大規模飼育による森林伐採
☑土壌劣化
※畜産業システムにおける環境負荷を削減するために、温室効果ガスの排出が少ない飼料への転換、輸送距離短縮、温室効果ガスの拡散防止などの研究開発が期待されています。
国連では、気候変動をおさえるために個人でできる10の行動を紹介しています。そのなかで、「野菜をもっと多く食べる」ことについて、つぎのように書いています。
個人でできる10の行動「野菜をもっと多く食べる」
☑野菜や果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類、種子の摂取量を増やし、肉や乳製品を減らすと環境への影響を大幅に軽減できます。一般に、植物性食品の生産による温室効果ガスの排出はより少なく、必要なエネルギーや土地、水の量も少なくなります。
『気温上昇を止めるために。個人でできる10の行動』より
持続可能なライフスタイルの選択
気候変動に関して、国連の報告ではつぎのように述べられています。
気候変動に関する国連の報告
☑世界の気温上昇を1.5℃に抑えることが最悪の気候影響を回避し居住可能な気候を維持する助けになるということに数千人の科学者と政府査読者が同意しています。しかし、現在の各国政府による気候変動対策の計画では、今世紀末までに地球温暖化は最大3.2℃に及ぶ可能性があります。
畜産にかかる負担や畜産から派生する環境へのインパクトを削減するために、さまざまな努力がつづけられています。
プラントベースミートは、そういった問題に対する解決策の1つとしても積極的に研究開発がすすめられています。
気候変動をふくむ環境問題については多岐にわたる議論のあるところです。ただ、わたしたちの日々の暮らしが、持続可能かどうかの視点が重要であることは、今後もかわらないでしょう。