子どもの肥満は70%の確率で成人肥満に移行する

子どもの肥満は70%の確率で成人肥満に移行する

幼児期の肥満は、学童期での肥満や思春期肥満、さらには成人の肥満につながるといわれています。

子どものころの肥満は、その後の人生にとても影響するようです。

子どもたちの肥満は生活習慣病のリスクになる!?

肥満は、子どもか成人かにかかわらず、生活習慣病のリスクになります。

また、子どものころの肥満は高頻度で成人肥満に移行することが知られています。18歳の時点で肥満1度であった場合に、35歳でそのまま肥満である可能性は約70%といわれています。

成人してからの健康のためにも、早い段階での適切な食習慣や運動習慣がたいせつだといえます。

子どもたちの1日の消費カロリーはどれくらい!?

成長中の子どもたちは、体重が増えたからといっていちがいに肥満だと判断することができません。そこで、1日に必要とされるカロリーの目安を把握しておくことは、肥満防止や改善に役立ちます。

子どもたちが摂取すべき1日のカロリーは、つぎの量が目安になります。

推定エネルギー必要量(kcal/日)

 男性(kcal/日)女性(kcal/日)
3〜5(歳)1,3001,250
6〜7(歳)1,5501,450
8〜9(歳)1,8501,700
10〜11(歳)2,2502,100
12〜14(歳)2,6002,400
15〜17(歳)2,8002,300
18〜29(歳)2,6502,000
30〜49(歳)2,7002,050
50〜64(歳)2,6001,950

※『日本人の食事摂取基準』より抜粋。
※標準的な体格で通常の運動量である場合の推定値。
※『日本人の食事摂取基準』では、「エネルギー必要量は重要な概念であるものの、個人差があって単一の値として示すのは困難である」としたうえで、その推定値を参考として示している。

理想の栄養バランスとは!?

1日に必要なカロリーを確認しましたので、つぎは、たんぱく質、脂質、炭水化物のバランスについて見てみます。この3つの栄養素は、健康維持や成長に必要なエネルギー源です。

一般に、たんぱく質15~20%、脂質20~30%、炭水化物50~65%がよいとされています。

肥満は脂質が原因だと誤解されることがあります。ですが、たんぱく質も脂質も糖質もエネルギー源ですので、脂質かどうかに関係なく摂りすぎたぶんが脂肪としてカラダに蓄えられます。

特別に脂質全般を避ける必要はありません。しかも、細胞膜には脂質が必要ですし、脳の組織の60%は脂質です。

脂質は、カラダにとって重要な栄養素になります。

食物繊維の摂取量と肥満の関係

肥満度が高くなるほど食物繊維の摂取量がすくない傾向があるといわれています。野菜嫌いだと、肥満になりやすいのかもしれません。
食物繊維の豊富な野菜は低カロリーなものがおおく、肥満防止や健康増進に最適な食品だといえます。

食物繊維は、年齢に応じて1日に8〜21g以上の摂取が推奨されています。

食物繊維の摂取基準(g/日)

 男性(g/日)女性(g/日)
3〜5歳8以上8以上
6〜7歳10以上10以上
8〜9歳11以上11以上
10〜11歳13以上13以上
12〜14歳17以上17以上
15〜17歳19以上18以上
18〜64歳21以上18以上

※日本人の食事摂取基準より

食物繊維8〜21gというと、野菜にしてどれくらいの量になるでしょうか。

ゴボウ100g中の食物繊維総量は5.7gです。ちいさめのゴボウ1本が100gくらいです。つまり、ちいさめのゴボウが3本で、食物繊維17gくらいになります。

いっぽう、豆類のおおくは食物繊維がとくに豊富で、大豆やエンドウ豆では100gあたり17〜18gの食物繊維をふくんでいます。

可食部100gあたりの食物繊維(g)

食品食物繊維総量(g/100g)
白米0.5
エンドウ豆(乾燥)17.4
大豆(乾燥)17.9
キャベツ1.8
ニンジン2.8
ホウレンソウ2.8
ゴボウ5.7
乾燥わかめ(水戻し)5.8
サツマイモ(蒸し)3.8

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)より

肥満と生活習慣

子どもたちの生活習慣は、本人の好みや自覚、性格などいろいろな要素が影響します。成長にあわせて、健康的な生活習慣について話し合うことで、お互いの理解をふかめることもたいせつでしょう。

また、わたしたち大人が率先して健全な生活習慣を身につけて、実践していくこともたいせつな要素だといえるでしょう。

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